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中国軍による台湾周辺大規模演習と東シナ海における中国漁船の異常集結
日本政府は、2025年12月下旬に中国軍が台湾周辺で実施した大規模軍事演習と、それと時期を同じくして東シナ海で確認された中国漁船の大規模集結について、強い懸念を抱いています。これらの動きは、台湾海峡の平和と安定を揺るがすだけでなく、日本周辺海域の安全保障環境にも直接影響を及ぼす可能性があるため、注意深く注視されています。
演習の概要
中国人民解放軍東部戦区は2025年12月29日、台湾を取り囲む形で軍事演習「正義使命―2025」を開始しました。演習は12月31日まで続き、台湾海峡のほか台湾本島の北部、南部、东部など5カ所の海空域を対象としました。駆逐艦や爆撃機、ロケット軍などが投入され、実弾射撃や海上封鎖、港湾制圧を想定した訓練が行われました。中国側は「台湾独立分裂勢力と外部干渉勢力への重大な警告」と位置づけ、国家主権を守るための正当な行動であると主張しています。
日本外務省は12月31日、この演習について「台湾海峡の緊張を高める行為である」との談話を発表し、中国に対し懸念を直接伝えました。また、台湾海峡の平和と安定は国際社会全体の利益であり、対話による平和的解決を求める立場を改めて明確にしています。
東シナ海の中国漁船集結
演習とほぼ同時期の12月25日頃、東シナ海の日中中間線付近で約2000隻もの中国漁船が異常な隊列を組んで集結していることが確認されました。日本経済新聞の取材班が船舶自動識別装置(AIS)の航跡データと衛星画像を分析した結果、漁船群は南北470キロメートル、東西230キロメートルにわたる逆L字型や平行線の「壁」のような陣形を形成していました。通常の漁業活動とは明らかに異なる整然とした動きで、2026年1月にも同様の集結が観測されています。
AISデータを使った陣形の説明動画。12月25日頃の約2,000隻の中国漁船が東シナ海で逆L字型や平行線状の陣形を形成した動きを視覚的に伝えています。
専門家は、これを中国の海上民兵(maritime militia)を活用した灰色地帯作戦の訓練ではないかと指摘しています。中国は軍・海警・民兵の「三位一体」の体制を強化しており、台湾有事の際に日本近海で同様の動きを展開する可能性が懸念されます。
背景と日本の安全保障への影響
台湾海峡は日本にとって極めて重要なシーレーンです。日本の貿易の多くがこの海域を経由しており、緊張が高まればエネルギー供給や経済活動に深刻な打撃を受けます。また、日米安全保障同盟の観点からも、台湾周辺の安定は日本の防衛と直結しています。
中国はこれまでも台湾周辺で繰り返し大規模演習を実施してきましたが、今回は「外部干渉」を名指しで批判するなど、日本や米国を意識した内容が目立ちました。一方、東シナ海での漁船集結は、尖閣諸島周辺の領海警備にも関連する動きです。日本は中国のこうした灰色地帯的な手法に対し、国際法に基づく毅然とした対応を続けるとともに、米国や同盟国・友好国と連携して地域の安定を図る方針です。
